コラム

プロフィール

金森慎悟

  • M&F株式会社 代表
  • 理学療法士
  • 日本大学陸上競技部メディカルトレーナー
  • スプリントチームストレングストレーナー
  • KONAMI SPORTCLUB パーソナルトレーナ

陸上競技 円盤投(08’09’シーズン大学ランキング1位)
日本大学文理学部体育学科卒業
臨床福祉専門学校理学療法学科卒業
フィットネスクラブ、整骨院、病院、大学チームでのトレーニング指導、リハビリテーションを行う。


浮き趾の原因と予防(2021/03/23)

『浮き趾予防のストレッチ』

我々理学療法士は多くの方の足をチェックしていますが、その中でもよく見かける症状として『浮き趾(ゆび)』があります。

その名の通り、足の指が『浮いている』状態の俗称ですが、多くの方が自分では気づかずに過ごしており、足圧計やフットプリントなどで画像を見たり、専門家から指摘を受けて初めて知る事が多いようです。

ではなぜ浮き趾が問題なのでしょうか?

<巻き爪の原因になる>
ヒトの爪は、指の腹に圧力がかからないと、徐々に巻き込むようにして生えてきます。そのため、立位姿勢や歩行などで、足の指に適度な圧力がかかるようにする必要があります。

つまり浮き趾は巻き爪の原因となると言えます。

<足の付け根や足の裏が痛くなる>
足の裏には指を曲げる筋肉が通っており、それらの筋肉を覆うように指の付け根から踵にかけて膜が張られています(足底腱膜)。足の指が反っていると、足趾を曲げる筋肉や足底腱膜はピンと突っ張り、緊張した状態になります。この状態で歩行やランニングなどストレスを繰り返し加えると、足の裏に炎症を惹き起こしてしまいます(足底腱膜炎やモートン病など)。

<ふらつき・転倒の原因になる>
ヒトは立っている時や歩いている時、足裏のみで支持しています。足の指が浮いていると支える面はより狭くなり、不安定になるのは想像がつくと思います。
また、それぞれの足の指が動くことで細かい重心の移動が可能となり、ふらつきが起きた時に身体を支える力を十分に伝えることができます。

この様に、浮き趾によって様々なトラブルを惹き起こしてしまう事がわかったと思います。
では、改善するにはどうしたら良いでしょうか?まずは浮き趾チェックから始めていきましょう!


<浮き趾チェック① MTPフレクションテスト>
・膝が80°〜90°程度曲がった状態で足の裏を床につけて座ります。
・足の指が浮かないようにし、指全体を最大限曲げていきます。
・最大限曲げたところで足背面、指の付け根(MTP関節)の骨が白く浮き出ているかチェックします。
 →白く浮き出ていれば問題ありません。浮き出ない方は浮き趾の可能性があります。

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MTPフレクションテスト

<浮き趾チェック② ペーパーインテスト>(協力者が一人必要になります)
・正面を向き、普段通りの立ち姿勢を取ります。
・協力者の方は紙(A4用紙やハガキなど)を地面と足趾の間に通します。
・抜き差しする事ができなければ問題ありません。簡単に紙が通るようであれば浮き趾の可能性があります。

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ペーパーインテスト

いかがでしょうか?上記のチェック項目に当てはまった方はぜひ改善のためのストレッチ・トレーニングを行ない改善していきましょう。

<足趾のストレッチ>
・椅子などに座った状態で片足を組みます
・片手は足の甲を支え、もう片方の手は足趾を持ったままゆっくりと足趾を曲げていきます
・出来るだけ指の付け根(MTP関節)を曲げるように意識しながら行うと効果的です
*余裕のある方は足首を下に向けた状態で同様のストレッチを行うと、足趾を反らせる筋肉がさらに伸張され、ストレッチの効果が増します

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足趾のストレッチ

<タオルギャザー>
弊社のYouTubeチャンネルにて詳しい方法を動画でご紹介しております。
是非ご覧ください。 MFCチャンネル カーフレイズ(座位)

浮き趾はふらつきや転倒を惹き起こすだけでなく、さまざまな足のトラブルの原因にもなります。日常的にケアを行い、足の趾を意識し、『地に足の着いた』生活を送りましょう!


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