コラム

プロフィール

吉本錠司

  • ドイツ整形靴技術者
  • 足の健康管理 和巧堂代表

1995年10月 義肢装具会社に転職。在職中に「足」「インソール」「靴」に興味が湧き、後にドイツオーソペディ・シューテクニカ・マイスターのカーステン・リーヒエと出会い彼に師事。
2002年9月 健康は足元からを目的に「足の健康管理・和功堂」設立。
2006年2月 Orthopädie Schuhtechniker Geselle ドイツ整形靴技術者取得。


最近よく見る爪のトラブルと靴のサイズのこと(2021/07/07)

「足が痛い!」と言って相談に来る人の殆どが、小さい靴を履いている。だが本人は靴が小さいことに気がついていない。むしろ大きいと思っている人もいる。

3Eとか4Eとか幅の広さ(実際は幅の広さを表すものではないが)を気にして買う人は多いが靴の縦のサイズについてはあまり考えていない。(爪先に空間があってはいけないと思っている人もいる)

母趾爪が痛い人でも靴の先端に爪先がしっかりとぶつかっている靴を履いている。痛いのにどうしてそんな窮屈な靴を履いているのだろうか?

おそらく靴の選び方が間違っていることに気づいていないのである。爪先が当たっていて痛いのなら、なぜ当たらないサイズを選ぼうとしないのか不思議である。

サイズを大きくすれば済むことなのに。特に女性はサイズを気にし過ぎている。

大きいサイズに抵抗があるからだ。サイズ表記など気にせずに正しい大きさの靴を選んで快適な生活をおくるのと、サイズ表記を気にして無理に小さい靴を履いて爪を悪くし快適な生活がおくれないのとでは、その人にとってどちらが良いのだろうか?

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<爪トラブルがあるときの対応について>

靴を選ぶ場合、爪先が靴に触れてはいけない。爪先に圧迫感があってはいけない。そのためにはサイズ選びが重要。間違えた靴選びをしている人は自分の靴に対しての考え方、選び方を見直す必要がある。

足の大きさ(足長)と靴のサイズは必ずしも同じではない。例えば足長24cmの人が靴を買う場合24cmの靴を選べば良いというわけではない。

靴によっては、24.5cm25cmになる場合もある。特にスニーカーは小さめ(捨て寸の取り方が短い)のため、26cmでも良い場合もある。いずれにしても靴はちゃんと履いて選ぶべきである。いくつかサイズの違うものを履いて比べてみることが大切である。

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母趾の爪トラブルの場合IP関節から先が反り上がっていることが多く、またIP関節底面に圧がかかるためタコができている人が多い。

本来母趾IP関節の可動域は、屈曲60度伸展0度である。母趾先端に力をかけられるように上には曲がらないようになっている。

*今回の靴については、ヒモ靴などの締め具のある靴を前提にしている。


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